上手くいった方法はすぐに別の案件でも再利用する
 
 観測ロケットS-520-33/IEP実験では離れた場所からカメラで画像を撮影してデータをWIFIで伝送した.この方法は簡便なわりに手堅い結果を得られたので,今後はWIFIカメラ伝送では最初の一歩目にとる方法にしようと考えている.
 
 早速,1mほど離れた場所から画像をWIFIで伝送する必要な案件がでてきた.まずはRaspberry-Pi-Zero-2-Wで対応させる.本体ごと1m離すのでもよいが,USBカメラをつかいケーブルを1m伸ばすことにした.適当なケーブルをぶった切ってコネクタを付け替えてRaspiに接続して動作することを確認した.Raspiには別の処理もさせるので,DCDCやオペアンプやらFETやらを搭載したRaspiのHATを設計し,いつものようにJLCPCBで製造した.
 
 ほんと今は便利ですよね.この安くて手軽なシステムなのに,リアルタイムでビデオ伝送もやってしまえるのですよ・・・.最初に使ったPCはPC98だった世代にとってRaspiって,驚異的な凄まじい道具.JPCPCBは1週間かかるけど,その間にもろもろ準備すれば必要なものは1週間で揃ってしまうというのが今のスピート感なので,もう歳をとっているヒマがない感じがするんですよ.
 
 
 
JUKIのミシンを貸してほしいと言われ
 
  秘書さんが部屋にやって来るなり,ミシンを貸してほしいと.ミシンですか?ありますけど,直線縫いしかできませんし自動糸通しもついていないですよ.糸もザイロンしかありませんけど,それでよろしければお貸しします.
 
  研究室にいきなりミシンを貸してほしいとやって来るのもなんですが,貸せるミシンがあるのもなんだかな,と思いますが,あるんです.これは以前パラシュート用のナイロン布にザイロンを糸として縫い付けることで部品を作ったことがあり,その時に入手したもので,当時10万円くらいしました.ミシンの使い方なんて,小学生の家庭科でやった以来ですが,それでも「多分こうだろう」という感じで使っていたらなんとかなりました.そのとき以来使っていないので,5年は使っていない.
 
 ボビンやらザイロン切りバサミをつけてお貸ししました.なんでも「役立っている」そうです.その秘書さん,現在は事務職の秘書さんをパートでやってくれていますが,以前はカルチャースクルーで洋裁の先生もやっていた人ですから,プロなんですよね.だいたい,JUKIを買ったのも「JUKIならばよいです」という言葉があったからでした.人生なにがどうやって約に立つのかわからないものです.
 
 秘書さんが作業されている研究室で布で電波暗室を作るそうで,業者さんに聞いたら700万円という値段がでてきてたそうで,秘書さんが作業されたら材料費ですむので1/10のコストでできるということでした.10mくらいある布から作るのですから,経験者でないと「やります」とはならないでしょう.その研究室の先生は大喜びされていたそうです.
 
 しかし予算があるのならばミシンなんて借りないで買えばいいと思いますが,なんでも「資産として残るものはだめ」なのだそうで,僕のミシンを使い倒すそうです・・.またザイロン糸でパラシュートシートを縫う予定もあるのでミシンがこわれたら嫌ですが,まぁ,道具は使い倒すほうがよいに決まっていますよね.ここは痩せ我慢.
 
 
 
 
 
姿勢制御装置を使わずして姿勢制御を行うにはどうしたらよいか,十分間程度しか使わない宇宙構造物をどうすれば格安コストで準備できるのか.
この研究室では,観測ロケットを対象として,メカトロニクスの知見を活かしてこうした装置の開発・試作をインハウス・手作業で行っています.ハードからソフト,解析までを一貫して行う器用貧乏を良しとする研究室です.

 

 8月
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