FUKUSHIMA Lab / 
@SOKENDAi and @ISAS

 

使い勝手がよいABSパイプ,安い割に形状精度が十分なので試作にもってこい

2022.08.02  

 
 アイデアを形にするときにまず手にするのは3Dプリント品.それなりに丈夫な部品はFDMでABS素材で作り,嵌め合わせ的な要素が必要な部品はSLAでレジン素材で作る.3Dプリントは思い立ってから手にするまでが速い,革命的だとしみじみと実感する.
 
 しかし,全部を3Dプリントでやると逆に面倒になることもある.そんなときは手元にある基本素材を使うことも多く,最近ここで多用しているのがABSのパイプである.モノタロウで1mあたり300円くらいで売られており,注文すると早ければ翌日届く.以前100本近く購入して使ったのだが,そのときの加工したあまり材料も捨てないで残してあるため,試作の段階ではそういう半端品と3Dプリント品を組み合わせて使う.
 
 アイディアをノートに描いてあれこれ考え,CADで具体的な形状を決めて印刷し,部品を集めてアイディアが妥当かどうかを確認する.この過程はとにかく手っ取り早いほうがよい.そしてお金がかからない方が良い.今日も別の装置をつくっていたら,「こうしたらもっと手っ取り早く安く簡単にできるのでは?」と思いついたので,その場で試作を開始した.部品自体をみるとショボいのだけど,組み合わせると「そうそう,これならいける」とか「こりゃだめだ」とか,はっきりするからとても重要な工程である.これをおろそかにしては行けない.
 

 


 

 
 姿勢制御装置を使わずして姿勢制御を行うにはどうしたらよいか,十分間程度しか使わない宇宙構造物をどうすれば格安コストで準備できるのか.
 この研究室では,観測ロケットを対象として,メカトロニクスの知見を活かしてこうした装置の開発・試作をインハウス・手作業で行っています.ハードからソフト,解析までを一貫して行う器用貧乏を良しとする研究室です.