report-008 取り付け金具を準備してモータを装着する

8月 19, 2018 SRRMS

 インフレータブル棒をどう使うのか(とりあえず,そう呼んでおきます)。これは一本の棒として,単体では使いません。数本を結合して使います。棒と棒を連結する部分には,それらを相対的に動かせるように「関節」を装着します。腕や足のように動かせるよう。その関節には小型のサーボモータを使います。モータと棒を接続する部分にはネジ止めできるようアダプター(ブラケット)を準備します。インフレータブル棒の両端には3Dプリンタでつくった栓を埋め込んであります。この栓はプラスティックですから,ドリルでネジ穴を啓けてヘリサートを埋め込み,アルミのアダプターをネジで栓に固定できます。ネジ穴はM3。3本のネジで止めれば,この実験のなかで大きな力・トルクがかかってもこれで十分でしょう。

 アダプターにはそれなりに力がかかるはずなので,3Dプリンタによる造形品ではなく,アルミ板で作成します。最近は3Dプリンタの存在に感動していたせいか,アルミ板の折り曲げでつくるのが古典的な方法に感じますが,これが普通ですよ。折り曲げではなくアルミブロックから削り出しでアダプターを作成するともっと丈夫で幾何学的精度がよいものを準備できますが,今回はインフレータブル・棒がそもそも試作なので,そんなに頑張ってアダンプターを準備することはないでしょう。だからアルミ板の折り曲げで作成します。板厚は1.5mmもあればいいだろうと思っています(1mmだと撓みが気になるかなと思ったので)。

 CNCでアルミ板から部材を切り出し,それを折り曲げて作ります。このCNC,もう10年近く使っっています。XPで制御していますが,所内のネットワークにはXPは接続禁止になっているので,やもえず単体で使っています。が,実際はこのPCはCNCの制御だけをするので,これで十分間に合っています(そのうちこのCNCについてのメモを記録して置こうと思います)。そして,切り出したアルミの部材を折り曲げ器で折り曲げ,アダプターの金具が完成しました。余談ですが,ぼくの折り曲げ器,曲げの角度は目測なのでうまく曲げられず失敗することも多いです。一端曲げてしまうと曲げた部分は加工硬化がおきるので,曲げを再調整するのは「相当に困難」です。ペンチと万力をつかって無理やり曲げの角度を調整しようとすると,折れちゃったり違うところが曲がったりとうまくいかないのです。そんなこともあり,曲げで作るのではなく最近はもっぱら「削り出し」で作ることにしています。今回はそこまで時間を掛ける必要がないので,曲げで作りました。

 関節に使う小型のサーボモータにこのアルミ金具であるアダプタを取り付けます。小型のサーボモーターなのでM2のタップネジを多様しています。ケースが樹脂ですしM2のネジを切ったりインサートいれるの大変だからでしょう。削りだしならば形状精度を気にすることなんてないのですが,折り曲げだと平気で1mmくらいずれることもあります。あっていない場合はぐいっと力をいれてはめ込みます。こういうときに自分の加工の腕の無さに侘しさを感じます。が,まぁとりあえずハマった。

 あとはモータを動かすだけです。サーボモータのドライバを準備して,感嘆なサンプルコードを書いてとりあえず電気的に大丈夫か,金具が邪魔になっていないか,といった基本的なことを確認します。サーボモータのドライバを購入するとSDKとしてEclipseがついてくるので,超簡単に作業を始められます。H8やPICで頑張るなんてことを今は高校生でもやらないのでしょうねぇ。

 計算機の進化って感慨深いです。また,PCの性能がすごい向上しつづけているので,通常の作業をするだけならば最新のPCなんていらないことです。この作業でつかっているのはThinkPadX61sですが,これも10年くらい前に別の研究室の人から「使っていないのでもってっていいよ」と言われて譲られたものです。研究費というものに縁がないぼくには,所内の彷徨は欠かせないです。最新のPCでないと研究に支障がある人は,こころよく昔のPCを譲ってくれますので。

 最初にやっておくことは,モータ基準角度の設定です。キャリブレーションですね。プログラム上での中心の位置を指定したら,ハードウエアが実際に基準角度になるようにプログラム側を調整します。全部のモーターとアルミ板でつくったアダプターとを定盤上でスコヤで「ぴったりの位置」となる状態にしておき,サーボの角度データをプログラムで取得し,以後その角度を基準としておきます。間違えないようにモータにはテプラで識別シールを貼っておく。角度のキャリブレーションも必要ですけど,今回は「だいたい」でいいなぁと思ってパス。

 さて,つぎはモータをインフレータブル・棒に装着して,空気をいれて膨らまして動かす工程です。これには場所が必要なんですけど,report-001作業スペースについてで紹介した居場所しかないので,廊下でやります。

report-007 シリコンシートからつくるチューブ風船

8月 12, 2018 SRRMS

 これまでチューブ風船について断片的に紹介してきました。このブログは作業進捗を逐次流すためのものでして,論文でも説明文書でもなく,ぼくが今一体何をやっているのか,について簡単に紹介するためのブログです。だから,「行動結果を示すこと」が主目的であって,その「行動の意図を理解してもらうこと」は後回しでいいかな,と思ってきました。では今日こそは,とばかり説明しようかな。たとえばそれを頑張ったとしても,そもそもやっていることは単純な作業なので,なんだそんなことか,という感想しかでてこないかもしれないです。

 現在作業している当面の目標は,円柱状の風船をシリコンチューブから作り出し,そこに1気圧程度の空気をいれて「棒状」のモノを作り出すことです。かっこよく言えば,いわゆる「インフレータブル・ストラクチャ」の試作をしているのです。ここで使うシリコンゴムのシートは柔らかいものなので,風船状にして空気を入れて圧力をかけると盛大に伸びます。予想以上に膨らむ。お餅みたいに。そこまで伸びちゃ困るよという感じです。そこでシリコンゴムのチューブを裸で使うのではなく,ナイロンでてきた丈夫な布地の袋をかぶせてしまい,ゴムがあまり膨張しないように強制的に抑えてしまいます。チューブの両端には空気取り入れ口をつけた栓を準備すればよいです。

 この工程を簡単に示すと次のようになります。まずチューブをつくり,それを布に巻き付けます。実際は,縫ったものを使いますが,イメージとしては巻き付くような感じです。このサンプルは,最初に長さ30cmほどのものを試作したときのものです。作業工程を確認するために実施したときの画像です。

 布を円柱の形状となるように「正確」に縫い付けます。どれだけ正確に縫えるかが,この作業の成功失敗を分けることになります。布地に正確に線を描くことは可能ですが,それを縫うとなるとちょっとむずかしい。だいたい布地は力をかけると変形するものですから。抑え方次第で1mmはすぐにずれます。この工程には工夫が必要ですが,今は目をつむってさきに進めます。

 できあがったら,シリコン・チューブに空気を入れてインフレータブル・棒がちゃんと「棒」として機能するかどうかを確認します。このインフェータブル・ストラクチャである棒は試作1号機ですから,あまり空気を入れていません。接着剤がどこまで持つか心配なんですよね。最終的には1気圧は入れたいところです。

 どうやら,そこそこ動きそうです。そこで,先日縫い付けた大きなパラシュートクロスをつかったインフレータブル・棒を実際に作ってみます。たぶん,うまくできないと思います。というのは,全長を90cmとしましたが,このサイズですと「ちゃんと縫えない,裁断できない」というヒューマンエラーが発生するからです。なにせ初めてミシンを触ったような人が縫っているのですから,多くを期待できない。ですので,まずは「原理的にインフレータブル・棒を作れるのか」を確認できればよしとします。棒の形状精度などは一切問わないでいいです(今の段階では無理ですよ)。

 では,長さ90cm,直径2.5cmの棒となるようなシリコンゴム風船を準備します。厚さ0.5mmのシリコンゴムシートをつかいます。シートを長方形に切り出して,シートで輪っかをつくるように長辺を20mmほど重ねてのりしろとし接着剤をつけます。そしてチューブの上下の蓋となるところには3Dプリンタで作成した蓋を接着剤で貼り付けます。できあがりは「円柱」という形状なので,上下面と側面という単純な部分から構成された立体です。なので,加工作業も上下の蓋と側面の接着剤で済むわけです。シリコンゴムの接着はRTVを使い,十分に硬化させるためにまでクランプで抑えて一晩ほど寝かせました。

 無事にシリコンゴムが接着できたことを確認したら,つぎはチューブをパラシュートクロスに包み込みます。ミシンの扱いがそんなに手練ではないので,先にクロスを準備して,そのなかにチューブをそろりそろりと滑り込ます方法をとりました。この作業,結構面倒でした。シリコンゴムチューブとクロスの袋の大きさをぎりぎりにして作ったので,するっとはチューブがクロスに潜り込んでくれない。そろそそろりと少しずつしかチューブがクロスの内部を移動しないのです。今後この工程を考え直す必要があります。イライラしますから,これが失敗を引き起こすもとです。

 なんとかシリコンゴムチューブをクロスの袋に入れ込みました。この作業で結果3本ほど試作した「インフレータブル・棒」の準備ができました。両端の線には空気を入れるための管がついています。

 次は,このインフレータブル・棒をどう使うのかに進んでいこうと思います。

report-006 アイソメトリックの縫い目

8月 5, 2018 SRRMS

 ミシンをかけます。単純なことです。両手と足の操作が必要で,目と手と足を連動させればよいです。言うのはやっさしいですが,これがゲームのように難しい。いや,簡単といえば簡単なのは間違いないですけど。事前準備と事後作業を思い浮かべ,「さぁ」とばかりカタカタとやります始めます。最初は小さい端切れで練習しました。今回は1m x 30cmというナイロンの布にひたすら直線を引きます。

 糸はザイロンの#20をつかっています。針は#6です。これでいい感じに縫えます。このミシンはこれをやりたいか買ったので,それ以外の利用は考えていません。使えるでしょうけど,使わないと思います。研究室で服を縫ってもしょうがないでしょうから。

 ミシンを使う作業を練習しているうちに,やっぱり「上手下手」というものがあることを体感できますので,自然と他の人の腕前に興味を持ってしまいます。これまでは全く興味がなかった洋裁ですが,今ではたまにEテレで「夏のワンピース」なんていう洋裁の番組があるとついつい見てしまうのです。なるほど断ち切ったあとはそうやるのか,そんな機能があるミシンがあるのか,ジッパーはそうやってつけるのか。こういう驚きをもって番組をみることができます。楽しい楽しい。

 とはいえ,服を準備することがぼくの目的ではなく,1気圧くらい入れて膨張させる風船のようなものの「カバー」をつくることが目的でこの作業をしています。これがゴールなのです。が,途中で本末転倒をすることがあります。たとえばミシンに凝り始めたり,奥さんと腕を競ったりと,そいういう方向に行ってしまいがちなんです。まぁそれはそれで日々の生活を面白くする要素ではありますが。

 目的の布にアイソメトリックのラインを書き込みました。これで2枚の布を張り合わせたナイロンクロスがピタッと密着するはずです。バイアスを考慮していありますので,縫い合わせた布をどの方向へと引っ張っても伸びる変形量は変わらないはずです。一枚だと斜めに引っ張ると伸びやすいですから。試作でつくった布を実際に斜めに引っ張っても変形量は方向によって「変わらない」。おぉ,これはちょっと嬉しかった。さて,1mの布です。

 ナイロンの布がだんだん「布」っぽく感じられてきました。これでなんか作れそうな気がします。が,ナイロンですけどね。実際縫ってみたところキルティング的なものが出来上がってきました。ザイロンの糸の金色っぽいので,白地に金という,意外にかっこいいかなぁ感じています。

 作業としては,布地に書かれた直線にそってカタカタとミシンをかけていく。この作業では,やっている時に見えているものは布地の上の線,そして針,糸くらいになります。足ものとのペダルでスピードを調整しつつ,まっすぐに布をミシンに供給する。次の線へ移るときは針を布に刺したまま抑えを上げて布を回転させる。そして,また新しい直線に沿ってカタカタとやる。ある種のアスリートのような気分がしてきます。頭から雑念が消えますね,明らかに。これは「行」ですなぁ。

 結局この布を全部仕上げるのに数時間かかりました。疲れると集中力が落ちて操作が雑になり,針が線から外れてしまい,変なところが縫われしまいます。ひどくないならば,線から針が外れてきたら途中で立て直すか,ひどい場合は止めて縫った糸をほどいてからやり直し。余計時間がかかります。なので集中力が切れそうになったらすぐに休憩をとることです。まぁ,ぼくは普通のおじさんですから,そんなに集中力が続かないですよねぇ。

 出来上がった布は,まぁまずまずの仕上がりです。あとは想定通り強度ができるかどうか。

report-005 パラシュートクロスの準備

7月 29, 2018 SRRMS

 パラシュートクロスを準備します。といっても資金がないので,「似たようなもの」を安価で準備することにします。なんでもそうですが,研究用・原理検証用の道具ならば「ブリコラージュ」という方法が有効です。つまり,入手可能なそのへんにあるものを別の目的に「たぶん,つかえるんじゃないかな」とばかりに「工夫」して使ってみる。時間はかかりますが何かを買う費用は少額に抑えられます。そして,大抵のことはそれでできます。

 準備する布は100kPa(一気圧)以上の張力で布地を引っ張るで,そこそこしっかりした布地がほしいのです。そこでアマゾンで模型用?に流用されているナイロンクロスを購入しました。縦糸横糸であまれたクロスはバイアス(斜め)があって,布地を引っ張ると変形の度合いが大きくなる方法がありますのでそのままでは使いにくい。対策として,FRPのように布地を複数かさねて,縦糸横糸の方向を変化させて縫い合わせる。そういう一般的な方法で補強したものを作ってみます。

 ここで,これまで練習してた「ミシン」の技が役立ちます。30cm程度の端切れで練習していたものを1mスケールに拡大した布を準備します。最終的には1mx10cm程度の布がほしい。そういう布を何枚かとれる大きな布を縫い上げることを試みます。この作業は一見「夏休みの工作」のようです。実際夏休み時期にやっていますし。同僚かみたら「遊んでんるだろう」と判断されます,確実に。それでも「その布がないと作業が進まない」のですから,気にしないでミシン作業を進めていくことにします。(高額な)本格的な装置を作っている人からみるとぼくの作業は「遊んでいる」以外のなにものでもないでしょう。しかし,最初の一歩,とくに頭の中にある「これでできるはずだ」の確証を得るための活動は,自由研究のようなところからスタートするものだろう。そう僕は考えています。自然と他人については頭から追い払うことになります。

 ナイロンシートを2枚を張り合わせて,縦糸横糸の方向を45度変えた布をザイロンの糸で縫い合わせます。このとき,一番簡単なのは縫い合わせるステッチの形状を正方形の繰り返しとなるように縫うことです。正方形は定規で線を引きやすいですから。しかし,ここではアイソメトリックで縫い合わせることにします。正方形ではなく正三角形にします。こうすることで,布地を引っ張った時の「方向性」を消すような効果が「でないかなぁ」と期待してのことです。実際には効果がないかもしれないですが。

 さて,なんとかミシンを縫う線引き終わりました。あとはミシン作業です。こういう単純な作業の繰り返しをつづけていると,たった一つのことしか考えない状況に陥ります。夢中とは違う状況です。何キロも走っている途中のような感じです。あれこれ余計なことを考えることがない。そう,座禅的な瞑想のような感じではなかろうかと想像します。こういう作業自体は「全く高度ではない」のですが,続けていると身体的には調子がよくなります。その理由は,「あれこれ考えないで身体を動かす」工程が必ずあって,それをこなすことで瞑想効果があり,結果的に頭がさっぱりするからなんじゃないか。そう考えたります。

 さて,ミシンですね。

report-004 ミシンをこの歳にして始める

7月 22, 2018 SRRMS

 「当たり前にちかい結果をえるための活動」をするときにまで,最高の材料を使い技術を使い最高品質の結果を求めてしまうと,そのためにはその道のプロにしかるべき資金を準備してお願いするよりないです。しかし物事は最高でさえあればよい,なんてことはありません。最低かもしれないけれど「用を足せば良いえはないか」という状況は結構多いものです。「思いついたこと」を実際に確かめるための「実験」の場合,そのために「最高」を求める必然はありません。だからぼくの場合,たいてい自分でできることは自分でしてしまいます。お金がないからというのが言い訳的な説明ですが,実のところ別の動機があります。

 たとえば,ある用途に使う「布」がほしいな,必要だと。さてどうするか。原理的には実物で確認するまでもないものならば計算・解析で先に進めることができるでしょう。しかし,それでは「物質的な風合い」を身体的に感じることができないまま計算し続けることになります。そういうことをやっていると,ぼくの場合だけかもしれませんが,「その先の展開」を想像することができなくなってしまうのです。この先どうやろうか,と悩む。展開を想像していていても,あるところから先にはピンとこなくなってしまう。これでは活動が破綻します。一方で,現物を手で触っての活動ですと,そういうことはない。モノをじっと見ているだけで「次はああしたらどうだろう,こうしたらいいのではないか」といろいろやりたいことが浮かびます。だから活動が停滞することはない。こんなわけで,ぼくは「とにかくモノを作ってしまう」ことにしています。

 さて,先程思いついた確認に使う布はどういうものがいいのか,何が使えるのか。それは一枚でいいのか。こういう簡単なことから悩む必要があります。だって,なんにも知らないのですから。考えても先に進まないので,身近にいた同僚で,実験などで布を扱ったことがある人にちょっと聞いてみた。すると,

  1. パラシュートクロスというものがある
  2. 縦と横はよいが,斜めに引っ張ると変形しやすいので重ねて使う必要がある
  3. 単純にミシンで縫えばいいが,糸はザイロンを使え

というアドバイスをもらいました。早速布地を「アマゾン」で探して購入,糸もネット通販で見つけて購入。さらに,ミシンも針も購入した。全部ネット通販での購入になる(ありがとうMonotaro)。数日で材料がすべて手に入ってしまうわけです。今はすごいな,ほんとに。

 材料を買って集めただけで何かができあがることはないです。実際に作業をやるのは自分ですから。さて,具体的に何をどうすればよいか。まずは,ミシンを置く場所を確保しました。本棚の一角から本を取っ払い,棚の間隔を広げ,ライトを設置して作業できる環境を作りました。しかしミシンの使い方を知らない。仕方ないのでマニュアルを見ながら「ボビン」の使い方を知り,下糸を巻取り,上糸を穴やレバーを通してつけました。針に糸を通すのは,針も糸も厚手用なので穴も大きく,苦労がないです。あとはお母さんよろしくカタカタと縫うだけです。

 布に線を引き,これに合わせてミシンをかければよいはずです。確かに直線にそうだけなのでカタカタと縫えていく。最初はミシンの扱いに慣れず,糸がこんがらがったりしました。この糸,普通のハサミでは切れないのでアラミド繊維用の糸切りバサミを使います。そのうち作業のコツがつかめ,調子もよくすすむようになりました。6万円のミシンでも楽しく布と布を張り合わせていく技術を身につけられたわけです。もちろん我流ではありますが。わからないところは近くにいる秘書さんに縫いかけの布地を携えて質問に行くと,「うちの娘と同じことをやってるー」などと言いつついろいろと親切に教えてくれます。ちなみにミシンは業務用のJUKIを購入したが,「それは正しい選択です」とお褒めをいただいたりしました。なにやらこの世界にもこだわるポイントがそこかしこにあるようですね。

 布を測って,マジックで線を引いて,直尺をあててカッターで切って,先に合わせてミシンをかける。この作業,結構楽しいです。そんなの売ってないよ,というような布地の材料が自分でどんどん作り出せるわけで,これが愉快愉快。実に小さな成功なのですが,この布地の使いみち,この活動の行く末は頭の中にイメージされているので,下手くそな出来の布地であっても「他にはないよね」という材料であり,それをつかって実験装置が仕上がることにつながるわけです。なにも「大きなこと」をやらんでも,こういった研究活動からでも思わず笑みが溢れてしまう楽しみというものは味わえわます。